サーフボード 9'9"はどこへ向かっているのか

＜p＞＜strong＞1つのサーフボードが記憶していること、彼女に思い出させること＜/strong＞＜/p＞ ＜p＞15歳の誕生日に、忽然と現れた赤いサーフボード。

＜br /＞ 波乗りを知っている人にはなじみの、昔のロングボードだ。

＜br /＞ そこに刻まれた傷は時間そのものであり、記憶そのものだ。

＜br /＞ 今ではもう失われてしまった、海岸に出て行くための＜br /＞ お気に入りの道順までも、そのサーフボードと共にある。

＜br /＞ そして、父親の禁を破って、夜の海に出た17歳の不思議な体験。

＜br /＞ それらを今、37歳になった彼女がもう一度、反芻する。

＜br /＞ 自分の生きてきた時間が、海のその地点が、いま、ここにある。

＜/p＞ ＜p＞＜strong＞【著者】＜/strong＞＜br /＞ 片岡義男＜br /＞ 1939年東京生まれ。

早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。

75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。

ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。

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